深町秋生 『オーバーキル』
深町秋生 『オーバーキル』
『バッドカンパニー』の続編。
いつもの面々に、新たなメンバーも加えた連作短編集。
後半は、美人女・野宮社長の過去をめぐり、怒涛の展開。
続きが楽しみな作品です。
深町秋生 『オーバーキル』
『バッドカンパニー』の続編。
いつもの面々に、新たなメンバーも加えた連作短編集。
後半は、美人女・野宮社長の過去をめぐり、怒涛の展開。
続きが楽しみな作品です。
天童荒太 『静人日記』
『悼む人』の主人公、坂築静人の旅日記。
そのぐらい、主人公になり切って、
作者は物語を紡いでいるんですね。
漫画や映画の設定資料集を読んでいるようで、
それはそれで、面白かったです。
深町秋生 『探偵は田園をゆく』
『探偵は女手ひとつ』の続編、長編作品。
山形で探偵を営む元警官、椎名留美、シングルマザー。
生活のため、便利屋仕事もいとわない。
ある日、風俗の送迎ドライバーの仕事中に
知り合ったホテルの従業員から、息子の捜索を依頼される。
遺留品を手掛かりに、留美は一人の女に辿り着く。
地域に密着した活動で知名度を上げたその女は、市議への進出も噂されるが、
その取り巻きの対応に異様な気配を感じ、捜索を続けていく。
地方都市を舞台に、ハードボイルドな世界が展開します。
神林長平 『グッドラック』
戦闘妖精雪風シリーズ、第二作。
異星人ジャムと戦う戦術戦闘電子偵察機・雪風と
人間・深井零の戦いを描きます。
異星人(侵略者)との問題もさておき、
機械・AIと人間という問題も含んでいます。
今読むからこそ、恐ろしいほど冴えわたる作品。
戦いの場は、どんどんスケールアップしてきました。
続きが楽しみです。
神林長平 『戦闘妖精・雪風〈改〉』
未知の異星体〈ジャム〉と戦う日本人パイロットの深井零は、
惑星フェアリイで実戦組織FAFに所属し、
戦術戦闘電子偵察機・雪風とともに、
味方を犠牲にしてでも敵の情報を持ち帰るという非情で
孤独な戦いを続けていた。
高校時代に読んで以来の再読。
改変を経ているとは言うものの、大筋に変更はなく、
約40年前の作品とは思えない、恐ろしいほどの新鮮さ。
日本のSFの底力を感じます。
続きを読んでまいります。
深町秋生 『ドッグ・メーカー』
警視庁人事一課監察係 黒滝誠治
事件関係者の弱みに付け込んで、首に縄をつけて情報収集を行わせる、
そんな強引な手法から、ドッグ・メーカーと呼ばれる男、黒滝。
かつては公安、組対で華々しい成果を上げていたが、
ある事件で交番勤務へと左遷される。
そんな危険人物を、警視、相馬美貴は人事一課監察係に拾い上げ、
警察内部の腐敗を暴こうと奮闘する。
続編も書かれているようで、安定(?)の深町ノワール、
警察内部の腐敗、ひと癖もふた癖もある警察社会の内部を、
鋭く描き出します。
深町秋生 『死は望むところ』
血まみれの暗黒警察小説と銘打たれる、
深町ノワールの炸裂する一冊。
この前に読んだ、『バッドカンパニー』とは、
同じノワールでも、対局の暗さ、昏さ。
暴力団も恐れる、武装犯罪組織「栄グループ」と、
仲間を殺戮され復讐を期す、内通者を抱えた警察 、
死をも恐れぬ者どもの仕掛けあい、
銃弾飛び交う、血みどろの闘いの果て。
舞台が日本とは思えないほど、弾丸が飛び交い、
死屍累々の小説です。
一気に読ませるノワール小説でした。
深町秋生 『バッドカンパニー』
人材派遣会社「NAS」は、合法・非合法を問わず、どんな依頼相手でも
金を積まれれば汚れ仕事も引き受ける裏社会の企業。
美人社長の野宮をはじめ、元陸上自衛官でレンジャー資格も持つ有道、
元公安で秘書の柴、ベトナム人工作員で爆破のプロである妙教官など、
癖のある面々が繰り広げる、事件と仕事の日々を描く連作短編。
シリーズ化されているのも納得な、深町流の暴力とユーモアが
絶妙に同居した作品。
続きが楽しみです。
深町秋生 『PO』
(プロテクション オフィサー) 警視庁組対三課・片桐美波
二作目から読みはじめてしまいましたが、
こちらが第一作。元やくざの実業家を守る、
片桐美波と難波塔子の物語り。
深町作品は、スピード感が好きです。
東野圭吾 『幻夜』
『白夜行』の姉妹作のようです(著者未公認?)。
1995年の阪神淡路大震災、その混乱の中、
殺人を犯す男。それを目撃していた女。
二人はへ東京に出て、女は成り上がっていく。
男は、彼女の指示のまま、悪事に加担していく。
やがて、成功を極めた女の真の姿が浮か。
彼女はいったい何者なのか。
阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件など、
実際の災害や事故を背景に、
男女の生きざまを描きます。
今回も、700頁を超える大著でしたが、
執念で女を追う刑事、加藤の奮闘で、
あっという間に読めました。
姉妹編として比較するのが適切かはわかりませんが、
『白夜行』と『幻夜』、どちらも男女の逃避行を描いており、
ミステリーとしては秀逸です。
しかし、犯罪の動機という面でいうと、
『白夜行』の方が、男女とも理解できました。
もう一度読みたいのはどちらか、と聞かれたら、
今の段階では、『白夜行』と答えておきます。
天童荒太 『家族狩り』
手に取ったのは、単行本版です。
いくつかの家族、家庭の物語り。
読んだ感想は、切れ味鋭い物語、です。
のちの文庫版では、大幅に手が加えられ、
結末も違うらしいですね。
そちらも読んでみたいと思います。
天童荒太 『包帯クラブ』
関東のはずれの町に暮らす高校生たち。
傷ついた少年少女たちは、戦わない形で、
自分たちの大切なものを守ることにした。
包帯に、思いを託して。
いまの社会をいきがたいと感じている、多様な人へのメッセージ。
天童荒太 『悼む人』
上・下二冊。
全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける坂築静人。
彼と出会った、夫を殺して出所した女、倖世。
きつい記事が売りで人間不信の雑誌記者、蒔野。
息子の帰りを待つ、末期癌の静人の母、巡子と、
新たな生命をはぐくむ妹・美汐らのドラマ。
続編に、『静人日記』というのも書かれているらしいので、
読んでみたいと思います。
東野圭吾 『危険なビーナス』
独身獣医である伯朗のもとに、
弟の嫁を名乗る初対面の美人がやってきた。
弟の失踪と、捜索。
それとともに、一族の遺産相続争いが始まり、
義父一族の秘密に迫っていく伯郎。
弟の嫁に惹かれる伯郎・・・
個人的には、動物病院を手伝う身内にしっかりした
いい女がいるのになぁ、って思ってしまいましたが、
その辺は人それぞれかと。
「サヴァン症候群」についての知識や、
「ウラムの螺旋」についての話が、興味深いです。
とにかく、楽しく読める一冊でした。
鈴木理生 『江戸の都市計画』
江戸の街並みに興味があり、手に取りました。
もちろん、江戸以前の自然地形から、
江戸時代の大規模造成開発、街づくりがあって、
江戸という都市が成立しており、現代へとつながっていることが、
よくわかる一冊でした。
葉室麟 『霖雨』
天領である豊後日田(大分県日田市)で、私塾・咸宜園を主宰する
広瀬淡窓(儒学者・詩人)と家業を継いだ弟・久兵衛の物語。
郡代の横暴と、私塾の経営、現代と変わらない社会の縮図。
咸宜園といえば、当時有名な私塾で、いろいろな人が
集いました。
文人たちが使った、文具、中でも硯に興味があり、
いろいろ、参考になる一冊でした。
葉室麟 『風花帖』
小倉藩で享和から文化年間にかけて実際に起こった、
「白黒騒動」を題材にした時代小説。
派閥争いに巻き込まれる平藩士、剣術使いの印南新六と、
生涯をかけて守ると誓った女性、他家に嫁いだ吉野の、
今はかなわぬ純愛の物語り。
葉室氏の作品は、気品がありますね。
藤田誠 『浮世絵が語る江戸の女たちの暮らし』
前回読んだ、菊地ひと美 『江戸で部屋さがし』とともに、
江戸の風俗を知りたくて、手に取りました。
絵画、浮世絵に描かれた女たちの職業や、
風俗を取り上げた一冊。
菊地ひと美 『江戸で部屋さがし』
江戸時代の職業を調べている関係で、
気になって、手に取りました。
町人地、武家地、寺社地、いろいろあり、
その中でも、長屋の暮らし、旗本の暮らし、
大名の暮らし、「部屋」、
つまり、住まいからみる、江戸の暮らし。
イラストが中心で、楽しくてためになる一冊でした。
東野圭吾 『マスカレード・ナイト』
刑事新田とフロントの山岸がコンビを組む、三作目。
実際には、2作目で二人は出会っていないので、
実質的には二作目です。
第一作目の後日談、新たな事件が予告がホテルにもたらされます。
多作の作家さん、特にミステリー作家さんは、
そのアイデアの豊富さに、驚かされます。
息もつかせぬ展開で、楽しく読めました。
次の作品も、期待して読みたいと思います。
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