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佐木隆三 『身分帳』

佐木隆三 『身分帳』

人生の大半を獄中で過ごした前科10犯の男、山川一。

殺人の罪で服役していたが、40半ばにして

極寒の刑務所から満期で出所した。

身寄りのない無骨者が、身元引受人の弁護士、周囲の助けを受け、

人生を再スタートしようと東京に出て、職探しを始める。

しかし、世間のルールに従うことができず、周囲と衝突し、

挫折の連続に戸惑っていく。

淡々と、出所後の男の生き方を、描いていきます。

映画、『すばらしき世界 』の原案とのことで、

役所広司版の作品も見てみたいと思いました。

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佐木 隆三 『復讐するは我にあり』

佐木 隆三 『復讐するは我にあり』

実録犯罪物を読みたくて、手に取りました。

西口彰事件(1963・64年)をもとにした、ノンフィクション作品。

列島を縦断しながら殺人や詐欺を重ね、日本を震撼させた知能犯・榎津巌。

捜査陣を翻弄した78日間の逃避行は10歳の少女が正体を見破り終結、

逮捕された榎津は死刑。一連の流れを、丁寧な筆致で辿ります。

綿密な取材と斬新な切り口、まさにノンフィクションの金字塔。

 

 

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東野圭吾 『夢幻花』

東野圭吾 『夢幻花』

花を愛で余生を送っていた老人、秋山周治が殺された。

遺体の第一発見者である孫娘、梨乃は、祖父の庭から消えた、

黄色い花の鉢植えの写真をブログにアップする。

それを見て、身分を隠して近づいてきた、警察庁に勤務する蒲生要介。

その弟で大学院生の蒼太と知り合いになった梨乃は、

二人で事件の真相解明に乗り出すことになる。

しっかりとした、骨太なミステリー作品であり、

若者たちの成長物語りでした。

東野作品の人気の秘密が、いろいろ詰まった一冊です。

 

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深町秋生 『天国の修羅たち』

深町秋生 『天国の修羅たち』

『ヘルドッグス』、『煉獄の獅子たち』に続く、

シリーズ三作目にして、最終作。

第一作の一年後、男たちの戦いが、ついに決着します。

恐れ知らずの老ジャーナリストが殺害され、

信じられない人物が捜査線に上がったことを知る、

警視庁捜査一課の神野真里亜。

死んだはずの兼高昭吾を追って、

警視庁の闇、陰謀を知ることになる・・・。

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ジョルジュ・シムノン 『サン=フォリアン教会の首吊り男』

ジョルジュ・シムノン 『サン=フォリアン教会の首吊り男』

ベルギーへの出張帰りのメグレが尾行した不審な男は、

身なりに似合わない大金を持ち、それをどこかへ郵送し、

メグレがトランクをすり替えたことが原因で拳銃で自殺した。

偽名を使っている男の身元を調べるうちに、

事件の陰にちらつく異様な首吊男の絵と、

その真相が明らかとなっていく。

メグレ警視シリーズ、初めて読みました。新約版。

ちょうど、本国で出版された初期の作品だそうです。

旧訳も含めて、いくつか読んでまいります。

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深町秋生 『煉獄の獅子たち』

深町秋生 『煉獄の獅子たち』

『ヘルドッグス』の続編。

前日譚となります。

関東最大の暴力団・東鞘会で熾烈な跡目抗争が勃発。

死期の近い現会長・氏家必勝の実子・勝一と、会長代理の神津太一。

跡目は神津の手に渡ろうとしている時、勝一の子分である、

織内鉄は神津の暗殺に動き出す。

一方、ヤクザを心底憎む警視庁組対四課の我妻は、東鞘会を壊滅すべく戦う。

『ヘルドッグス』で、後に東鞘会会長となる十朱が、どのように誕生したのかがわかる、

まさに前日譚、阿内将との因縁が描かれます。

いくつもの因縁の清算、という形で、『ヘルドッグス』へとつながっていきます。

ノンストップ・ノワール、深町ワールド全開です。

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深町秋生 『ショットガン・ロード』

深町秋生 『ショットガン・ロード』

日本で最大級の勢力を誇る暴力団組織・巽会のナンバー2が、

組織内の殺人集団、忍足チームによって暗殺された。

チームで伝説の殺し屋と言われた男は、雪国の港町で漁師として暮らしていたが、

その事件を契機に、巽会に居場所を突き止められ、かつてのボスである、

忍足たちを殺せと指示される。

しかも望みもしない相棒は、渋谷でキャバクラを経営する若造、

殺されたナンバー2の息子だった。

コンビの戦いと、それぞれの敵討ち、ケジメの物語り。

深町虐殺ワールド、全開です。

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東野圭吾 『流星の絆』

東野圭吾 『流星の絆』

流れ星の観測に家を抜け出し、戻ってくると両親を惨殺されていた

三兄妹は、施設で育ちながら、流れ星に仇討ちを誓う。

手掛かりは、次男泰輔が見た、家から出てくる男性の顔。

それぞれ大人になり、詐欺師として

騙す側になって必死に生きる彼らの前に、

犯人を突き止める最初で最後の機会が訪れる。

しかし、その最大の誤算は、妹の恋心だった・・・。

生活のために悪党に片足を突っ込んでしまった、

しかし、まじめな若い三人兄妹の物語り。

過去に、ドラマ化もされているようで、見てみたいと思いました。

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ジョルジュ・シムノン 『倫敦から来た男』

ジョルジュ・シムノン 『倫敦から来た男』

北フランスの霧深い港町で、鉄道員のマロワンは毎晩働いていた。

ある晩、目の前で殺人を目撃し、思わぬ大金を手にすることとなる。

その金をめぐって、運命の歯車が徐々に狂って行く様を描きます。

 

メグレ警視シリーズで有名な、シムノン氏ですが、

初めて手に取ります。メグレ警視シリーズも未読。

これを機会に、メグレ警視シリーズも読んでみたいと思います。

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深町秋生 『鬼哭の銃弾』

深町秋生 『鬼哭の銃弾』

警視庁捜査一課の刑事、日向は多摩川河川敷で起きた

発砲事件の捜査を命じられる。

使用された拳銃の線条痕が、22年前の事件で使用された拳銃と一致。

その事件こそ、家庭を崩壊させた鬼刑事の父親が捜査を担当した因縁の事件で

絶縁した退職刑事である父と、刑事になった息子が、事件を契機に対峙する。

いつもの、やくざ対刑事、ではなく、

家庭を顧みない鬼刑事と、その暴力の下に育った息子の、

事件をめぐる戦い。

深町ノワールでは、異色作かもしれませんが、

血なまぐささは、健在です。

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深町秋生 『ヘルドッグス』

深町秋生 『ヘルドッグス』

東鞘会に所属する兼高昭吾は、弟分の室岡と沖縄に飛び、

ターゲットの喜納修三を殺害した。

後継者問題をめぐり、東鞘会では血で血を洗う抗争が続き、

喜納殺害はその一環だった。

殺しにまで手を染める兼高は、警視庁組対部に所属する潜入捜査官だった。

兼高の最終任務は東鞘会会長・十朱の殺害。

暴力と血煙を潜り抜け、会長の側近、ボディ・ガードまで昇りつめた。

息もつかせぬ、ノンストップ・ノワール小説。

 

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深町秋生 『猫に知られるなかれ』

深町秋生 『猫に知られるなかれ』

戦後の日本、復興、国際謀略戦に対抗するべく設立した秘密機関「CAT」

男たちの知られざる戦後の暗闘を描く、スパイ・スリラー。

深町には珍しい、時代物。

目先が変わって、楽しく読むことができました。

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深町秋生 『ブラッディ・ファミリー』

深町秋生 『ブラッディ・ファミリー』

前作、『ドッグ・メーカー』に引き続き、

警視庁人事一課監察係の黒滝誠治シリーズ第二作。

今回も、上司の相馬美貴警視とともに、

警察内部の悪と戦います。

こちらも好調なシリーズなので、続いてほしい作品。

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深町秋生 『スリーアミーゴス』

深町秋生 『スリーアミーゴス』

『バッドカンパニー』シリーズ、三作目。

今回も、野宮社長の指示のもと、暴力世界が展開します。

三人の部下の、それぞれの今を描きます。

脂ののってきた三作目、続きが気になる作品です。

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深町秋生 『卑怯者の流儀』

警視庁組対四課の米沢英利は、かつては敏腕刑事、

今は、金のために裏で働く悪徳刑事。

連作短編、深町作品にしては暴力も抑えめですが、

米沢と上司、同僚たち、敵対する暴力団たちの物語り。

楽しく読むことができました。

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二上剛 『黒薔薇』

二上剛 『黒薔薇』

元刑事であった著者のデビュー作。

刑事課強行犯係、神木恭子の物語り。

第二作、『ダーク・リバー』を先に読んでしまいましたが。

警察内部にいただけあって、所轄の描写が細かく、

キャリア・ノンキャリの壁、というか世界の違いもよくわかりました。

親子二代にわたる、いろいろな物語が事件の裏に潜んでおり、

面白かったです。

 

 

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深町秋生 『インジョーカー』

深町秋生 『インジョーカー』

八神瑛子シリーズの最新作。

夫の死の謎を追う全三部作以降の、瑛子の新しい戦い。

スピーディーな展開で、あっという間に読み終わりました。

続きが気になるシリーズの復活、めでたいです。

 

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2024年10月の読書

20冊。

久しぶりの、月間20冊。

そして、現在年間87冊。

年間100冊越えも、視野に入ってきました。

年間100冊以上も、約10年ぶりです。

今年は、本当に、いろいろ復活の年です。

この調子で、年内がんばりたいと。

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